高齢者施設は介護が必要な方が入るイメージが強いですが、元気なうちからの入居にも多くのメリットがあります。今回は、自立型の高齢者向け住宅の種類と、早めに入居を検討することでどんな利点をもたらすのかについて解説します。心置きなくシニアライフを送るために、選んでおきたいポイントを見ていきましょう。
自立したままでの入居が増えている理由
以下では、自立したままでの入居が増えている背景と、そのメリットについて詳しく紹介します。
ひとり暮らしへの不安や孤独感
近年、ひとり暮らしを続けることへの不安や孤独感から、早めに高齢者施設に入居を決める方が増えています。高齢になると、日常の些細な出来事でも不安を感じやすくなり、また、家族との距離が遠い場合はとくにその傾向が強くなります。
施設では、入居者同士の交流の場が設けられているため、趣味やレクリエーションを通じて新たな友人関係を築け、孤独感の解消に役立ちます。さらに、レクリエーションなどの活動が心身の健康維持にもつながり、長い目で見て健康寿命を延ばす効果も期待されています。
家族への負担軽減を意識
将来的に介護が必要になった際、家族に負担をかけたくないという考えから、元気なうちに自分で高齢者施設を選ぶ方が増えています。家族が忙しい場合や遠方に住んでいる場合、老後のサポートが難しくなる可能性を懸念する方も多くいます。
早めに施設を選ぶことで、自分の条件や希望に合った生活環境を整え、家族に依存せずに安心した老後の生活が可能です。また、施設の選択肢が増え、自分で納得した環境に住めるため、心の安定にもつながりやすくなります。
生活環境の整備が難しい場合
自宅での生活が不便になるケースも、早期の入居を検討する大きな理由です。とくに、バリアフリーに対応していない住宅に住んでいる場合、階段の上り下りや段差のある場所での転倒リスクが増します。
また、住環境が適切でないと、日常生活そのものが負担となり、家事や外出が億劫になる状況も少なくありません。体力があるうちに、安全で快適な環境に移れば、余計な心配事から解放され、より充実した生活が可能です。
自立型高齢者向け住宅の種類
以下では、自立型高齢者向け住宅の主な種類とそれぞれの特徴について紹介します。
高齢者向け賃貸住宅
60歳以上の自立した方が入居できる賃貸住宅です。居室内にはキッチン、バス、トイレなど、日常生活に必要な設備が整っており、個人の自由を尊重した生活の継続が可能です。
また、生活相談や安否確認のサービスが提供されている場合は、緊急時や体調の変化があった際にも安心できるサポート体制が整っています。
介護が必要な場合でも外部サービスを利用できるため、介護が必要になる前の早期からの入居を選ぶ方も多くいます。賃貸であるため、入居金が不要な場合が多く、比較的経済的な選択肢です。
サービス付き高齢者向け住宅
生活支援サービスが付帯した賃貸住宅で、食事の提供や見守りサービスが充実している点が特徴です。自立した生活を送りながらも、必要に応じて介護サービスを利用でき、比較的自由度の高い生活が続けられます。
生活支援や緊急時の対応が求められる高齢者にとって、心置きなく暮らせる環境が整っていて、介護が軽度であれば、外部の介護サービスを受けながら住み続けるでしょう。設備もバリアフリーが基本となっており、安全な住環境が提供されています。
シニア向け分譲マンション
バリアフリー対応の分譲マンションは、自由度が高く、アクティブなシニアライフを送りたい方に向いています。
趣味やレクリエーションのための共用施設が充実しており、スポーツジムやシアタールーム、コミュニティスペースなどを備えた物件が多く、健康的で社交的な生活が楽しめます。所有権があるため、物件を売却したり、貸し出しが可能で、資産としての価値も維持できます。
施設選びで押さえておきたいポイント
以下では、施設選びの際にとくに注目すべきポイントについて詳しく解説します。
立地とアクセスの良さ
施設の立地は、家族の訪問のしやすさや日常生活の利便性に直結するため、非常に重要なポイントです。自宅からの距離や、公共交通機関の利用しやすさ、周辺にある病院や商業施設へのアクセスが良好であるかも確認が必要です。
さらに、周囲が静かで住みやすい、緑が多くリラックスできるなど、理想の環境にあるかといった要素も、快適な生活を送るには重要です。
設備と居住空間の広さ
自分のライフスタイルに合った居住空間が提供されているかの確認も大切です。とくに、キッチンやバス、トイレが居室内に備わっているかは、自由な生活を続けるために重要なポイントです。
部屋の広さや、収納スペースが十分かどうかも、快適に暮らすための重要な要素です。さらに、共有スペースの充実度や設備が整っているなどの条件も、アクティブな生活を送るためには欠かせません。
介護が必要になった場合の対応
元気なうちは問題なく生活できても、将来的に介護が必要になる可能性を見据えた対応ができる施設かどうかの確認も大切です。
施設内で継続して住めるのか、併設の介護サービスが利用できるのか、または外部のサービスをどのように利用できるかも把握しましょう。介護に対する備えがある施設であれば、心置きなく長く生活ができるでしょう。
まとめ
元気なうちから高齢者施設への入居を検討しておくと、心置きなく自分らしいシニアライフを送るための選択肢が広がります。立地や設備、介護体制をしっかり確認し、長期間快適に過ごせる環境の選択が大切です。また、元気なうちに自ら選んだ施設に入居することで、将来の不安や家族への負担も軽減できます。趣味や交友関係も積極的に広げられ、アクティブな生活の維持が可能です。自立した生活を楽しむために、施設選びを将来を見据えて早めに進めておくと、安心かつ充実した老後を迎えるための重要なステップとなります。