日本では高齢化が深刻な問題となっていますが、自分自身や家族が老後に過ごす場所を検討している方も多いのではないでしょうか。老後を過ごす場所の選択肢として施設への入所を検討している方もいるでしょう。そこで本記事では、施設ごとの違いやメリット・デメリットについて解説します。
老人ホーム・介護施設は主に公的施設と民間施設に分かれる
老人ホームと介護施設の言葉の違いですが、ほとんど同じものだと考えて問題ないでしょう。現在では同じような意味合いで使われている言葉となっているからです。そもそも、介護施設の種類の一つに老人ホームがあり、まったく異なるものではありません。今回は、老人ホームという言葉で解説します。
高齢になるにつれて、体力や筋力が低下し、一人で生活するのが困難になるでしょう。家族と同居していたり、頻繁に会える距離に家族がいたりすれば心配ないかもしれませんが、介護を必要とする高齢者が家族や親族から充分なサポートを受けられないケースも少なくありません。そこで、近年では老人ホームへの入居を検討する方が増加しているのです。
しかし、高齢者向けの施設といってもさまざまな種類があり、いきなり複数の施設を検討しても混乱してしまう可能性があります。そこで、種類ごとの特徴を調べてから、希望の条件に合う場所を探すようにしましょう。
まず、高齢者向けの施設は2種類に大別できます。一つ目は公的施設と呼ばれ、地方公共団体や社会福祉法人、医療法人などが主となって開設・運営しているケースです。二つ目は民間施設と呼ばれ、一般企業が開設・運営しているケースです。
ただし、どちらの種類であってもさらに細かく種類分けがされており、介護の必要性や提供しているサービス、環境、入所対象者などの違いによって11種類の施設があります。
民間の老人ホーム・介護施設の種類ごとのメリット・デメリット
常に手厚いサポートを受けられることがメリットでしょう。介護のプロが交代で常駐しており、万が一の際にも安心なのです。生活の安心感を最優先に考えたい、入居者一人一人をしっかりと見守ってくれる施設への入居を希望しているといった場合は、民間の施設が適しているといえます。
また、企業が営利目的で運営している分、入居者の満足度高めようと創意工夫がされている傾向にあります。たとえば、クリスマスやお正月などにイベントを行ったり、頻繁にレクリエーションを行ったりして居住者の快適な暮らしをサポートしているのです。
なお、公的な施設は介護認定を受けていなければ入居を受け付けていない施設がほとんどであるのに対し、一般行の運営する施設は自立した生活を送れる方でも入居を許可しているところが多いです。入居のハードルが低く、安心かつ快適な生活を送れるのは魅力的なポイントだといえます。
ただし、入居費用や月額費用が高額な点がデメリットです。施設にもよりますが、入居費用は0~数億円と幅広く、月額費用は10~40万円が相場です。いくら条件に合う施設があっても、費用がハードルとなって入所できないケースも少なくありません。入居する方の貯金がほとんどなく、年金だけで費用を工面したいという場合は検討が必要です。
公的な老人ホーム・介護施設の種類ごとのメリット・デメリット
費用が安いことや、介護の必要度が高い人を優先的に受け入れているのが特徴です。さらに、初期費用も民間の施設に比べると安い点が魅力でしょう。たとえば、初期費用は0~高くても数百万円であり、月額費用も5~30万円が相場です。公的施設の一つである特別養護老人ホームは、初期費用0円、月額費用は5~15万円です。
ただし、要介護認定を受けている人のみ入居可能となっており、必ず介護が必要な方を対象にサポートしようとしているのです。また、費用が安い、介護を必要としている人を積極的に受け入れようとしているのがメリットですが、長期間の入居待ちが発生していたり、イベントやレクリエーションがあまり行われなかったりする傾向にあります。
さらに、入居可能期間が限定されているケースや、相部屋で生活しなければならないところもあります。費用面ではメリットがありますが、生活の質は民間の施設に比べて低くなるのがデメリットでしょう。
介護施設の入所を検討する場合は、施設の種類、特徴を調べた上でどこにするかを決める必要があります。施設の種類は2つに大別でき、公的・民間に分けられます。公的施設の場合は、初期費用や月額費用を抑えられるのがメリットですが、介護度に制限があったり、相部屋で生活しなければならなかったりするところが多い傾向にあります。
一方、企業が運営する施設の場合は、居住者の快適性が高いというメリットがありますが、初期費用・月額費用ともに高額なのがデメリットでしょう。希望や条件と照らしあわせながら、最適な施設を選ぶのがおすすめです。