高齢化社会に伴い、自分自身や家族が入居する老人ホームをどこにするか検討するケースが増加しているでしょう。しかし、一口に老人ホームといってもさまざまな種類があり、ポイントを押さえて入居者に合う施設を選ばなければなりません。そこで本記事では、失敗しない老人ホームの選び方について解説します。
老人ホームの種類にはどのようなものがある?
一口に介護施設や老人ホームといってもさまざまな種類があります。施設の種類によって対象としている人やサービス内容などが異なるため、特徴を知ったうえで入居を検討するようにしましょう。
まず、老人ホームは公的・民間の2つに大別できます。公的施設は地方公共団体や社会福祉法人、医療法人などが主となって開設しているのに対し、民間施設は民間企業が開業しているのが特徴です。運営しているのがどこかではなく、開設したのがどこかによって種類分けされているのがポイントです。
入居時や毎月かかる費用、どのようなサポートを必要とするのかなどを考え、総合的に合う場所を選択するようにしましょう。
老人ホームの選び方のポイント
老人ホームは引っ越しと同じで、一度入居場所を決めてしまうと簡単に変更できません。もちろん、手間やお金をかければ変更は可能ですが、何度も施設の変更を繰り返すのは難しいでしょう。そこで、あらかじめポイントを押さえ、後々後悔しない施設選びをするのがおすすめです。
まず、もっとも重要なポイントともいえるのが、入居者本人の理想や考えを聞いてあげることが挙げられます。そもそも施設に住むのを希望しているのかどうか、立地、サポートの内容など入居者本人の希望を優先して叶えるのが重要です。実際に入居する人の意思を尊重し、家族や親族だけで話を進めないよう注意する必要があります。
ただし、本人の意思を尊重するのも大切ですが、兄弟姉妹・親戚間でも意見のすり合わせをしておくのがポイントです。身内の中で意見をまとめておくと、後々トラブルになるのを防げます。
また、費用面についても慎重に検討するのが大切なポイントの一つです。施設の中には、充実したサービス・施設を提供しているところもありますが、高額なお金がかかるところも一定数あります。入居者本人の貯金や、受け取る年金で費用を賄えるのかどうか確認しておきましょう。
さらに、可能であれば入居前に施設の見学を行いましょう。パンフレットやホームページで施設を見ていても、実際に見学してみると、イメージの相違が発生するケースも少なくありません。見学を行い、ストレスなく暮らせるか細かくチェックしましょう。
そのほか、入居前に施設と入居者本人の相性を確認するようにしましょう。施設環境と入居者本人の希望がマッチしていても、必ずしも居心地のよい施設とは限りません。施設の中には体験入居ができるところもあるため、できれば体験入居を行い、快適に暮らせるかどうかを肌で感じてみるのが重要です。
老人ホームの見学・体験入居時にチェックするべきポイント
介護施設・老人ホームは近年どんどん数が増加しており、短期間で入居者に合う施設選びを行うのは簡単ではありません。また、パンフレットやホームページは、施設のポジティブな情報が多く記載されており、どの施設を見てもよく思えてしまうでしょう。
そこで、複数の施設から希望の条件に合うところを絞り込み、見学・体験入居をしてみるのがおすすめです。その際、いくつかのポイントをチェックするようにしましょう。
たとえば、入居者の服装や爪、髪など身だしなみがきちんと整っているか、施設内で異臭を感じるところはないか、入居者と職員、職員同士の関係性が良好かどうかなどは必ず確認しなければなりません。
また、家族や親族が無理なく通えるかどうか、入居者本人が外出を希望するかどうかで施設の立地を確認しましょう。ほとんど外出しないのであれば、緑や海が見える場所のほうが落ち着くかもしれません。外出を希望する場合、買い物やお出かけに行くことを考え、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニなどの有無を確認しておくとよいでしょう。
そのほか、食事内容や私物の持ち込み、イベントの有無なども見学の際には確認しておくのがポイントです。実際に施設に行ってみないと得られない情報もあるため、入居を検討する施設があれば見学・体験入居をするとよいでしょう。
高齢化社会が進んでいる日本では、施設の入居を検討する方が増加しています。しかし、一口に老人ホームといってもさまざまな種類があります。そのため、入居を検討する際は、まず種類ごとの施設の特徴の違いを調べる必要があります。
また、身内同士で意見のすり合わせを行うのも大切ですが、もっとも重要なのは入居者本人の希望を聞くことです。そして、複数の施設を検討し、希望に合う施設が見つかれば、実際に見学・体験入居をしてから入居場所を決定するようにしましょう。