少子高齢化の社会情勢もあり、現在日本国内には数多くの老人ホーム・介護施設が存在します。そのため、どの老人ホームを選べばいいのかわからない人も多いことでしょう。そこで今回は、良い老人ホームを見極める方法について解説します。老人ホーム利用までの流れも合わせて解説するので、参考になれば幸いです。
老人ホームの種類
まずは、老人ホームの種類ごとの特徴を解説します。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、自治体や社会福祉法人が運営する公的施設です。介護サービスを中心に提供し、要介護度3以上の高齢者が入居対象となります。公的施設ゆえに入居時の一時金は不要で、月額費用も民間の有料老人ホームに比べて経済的です。
養護老人ホーム
養護老人ホームも、同様に公的施設です。自宅での生活が困難な高齢者の生活支援を主眼に置いていますが、介護サービスは主たる目的ではありません。自立した生活が可能な高齢者が入居対象です。
軽費老人ホーム
軽費老人ホーム(ケアハウス)は、地方公共団体が運営し、ほかの施設に比べて経済的な利用が可能な老人ホームです。A型、B型、C型(ケアハウス)があり、とくにC型は介護サービスを受けられる場合もあります。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは民間が運営し、要介護の高齢者を対象に幅広いサービスを提供しています。都道府県の指定を受けた特定施設であり、厳格な介護サービスの基準を満たしているのが特徴です。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、介護サービスの提供はなく、食事や生活支援を提供する施設です。介護が必要になった場合は外部の介護事業所と契約し、訪問介護を受ける必要があります。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立した生活が前提であり、食事や家事などのサポートを行う施設です。要介護になった場合は退去となります。
介護医療院
介護医療院は、医療機能と生活支援を兼ね備えた施設で、重病者やターミナルケアを必要とする高齢者に適しています。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、リハビリや介護を受けながら在宅復帰を目指す施設で、リハビリ専門職が常駐しています。
グループホーム
グループホームは認知症の高齢者が少人数で生活する施設で、専門の職員がサポートします。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、自由度が高く、生活相談や見守りサービスが受けられる住宅です。
シニア向けマンション
シニア向け分譲マンションは、高齢者向けの設備やサービスが充実した所有権付きの住宅です。
良い老人ホームを見極める方法
次に、良い老人ホームを見極める方法について解説します。
スタッフの雰囲気・対応
まず、施設長を含むスタッフの雰囲気や対応がよいかどうかが大切です。老人ホームでの生活の快適さは、スタッフの人柄によって大きく左右されます。穏やかな雰囲気や、適切なサポートが提供されているかを確認することが肝心です。
ほかの入居者の様子
さらに、ほかの入居者が生活している様子も重要な判断基準です。入居者が楽しそうに暮らしているか、コミュニケーションが円滑に行われているかを見て、全体の雰囲気を把握できます。ホームの雰囲気はパンフレットやウェブサイトだけではわからないので、実際に見学や体験入居をするとよいでしょう。
入居後の生活についての説明
また、入居後の生活について詳細に説明してくれる施設は信頼できます。日々のスケジュールやイベント、入居者の声をどれだけ共有してくれるかが、入居前の不安解消につながります。施設が真摯にコミュニケーションをとり、入居者と家族が安心して暮らせる環境を整えているかを確認しましょう。
定期的な連絡があるか
さらに、入居後も定期的に家族に連絡をしてくれるかどうかも重要です。施設の場所によっては、頻繁な面会が難しい場合もあります。定期的な連絡によって家族との信頼関係が築けるため、安心して介護を任せられます。
サービスの充実度
最後に、施設内で提供されるサービスの充実も見逃せません。入居後のサービス内容が予想と異なると不便を感じることもあるので、事前に確認しておくことがおすすめです。
老人ホーム利用までの流れ
老人ホームに入居するための流れは、以下の5つのステップに分かれます。
希望条件の整理
老人ホームを選ぶ際に最初に行うべきことは、入居者と家族で希望条件を整理することです。立地条件、資金計画、サービス内容など、重要な要素を優先順位付けして決めていきます。どの条件が譲れないか、また、どのようなサービスがあればうれしいかを明確にしましょう。
条件に合う施設の検索
次に、希望条件にもとづいて老人ホームを検索します。インターネットやポータルサイトを活用して、条件に合った施設をまとめます。この際、立地や設備、サービス内容について詳細に調べることが重要です。
見学
候補に挙がった老人ホームを、実際に見学します。見学をする際は、事前に予約を入れましょう。施設の雰囲気や設備、スタッフの対応などを直接確認することで、実際の生活環境を体感できます。複数の施設を見学し、比較検討することが推奨されます。
体験入居
いくつかの候補を絞ったら、体験入居を実施します。体験入居では、実際の生活を一定期間体験できます。ほかの入居者やスタッフとの交流を通じて、日常生活のリアルな様子を知ることができます。設備の使い勝手や生活環境の評価も重要です。
契約・入居
最終的に決めた老人ホームで、契約手続きを行います。契約時には必要な書類(戸籍謄本、住民票、印鑑証明書など)を準備し、重要事項説明を受けます。入居一時金の支払いや退去条件、サービスの内容などについても契約書を確認し、納得のいく入居先を選びましょう。
まとめ
良い老人ホームを選ぶ際には、スタッフの温かい雰囲気や丁寧な対応、そしてほかの入居者の生活の様子が重要です。実際の施設訪問や体験入居を通して、日常生活をどう過ごしているか確認することも大切なステップです。また、入居後の生活の細やかな説明や定期的な連絡サポートがある施設を選ぶことで、安心して新しい生活を始められます。本記事を参考にして、良い老人ホームで充実した老後を過ごしてください。