家族の介護をしたい気持ちはあるものの、物理的な距離が離れていたり、仕事や育児で余裕がなかったりすると、サポートするのがむずかしい場合があるでしょう。その場合の一つの選択肢として、施設への入居があります。この記事では、入居タイミングについて解説します。入居について検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
老人ホーム・介護施設への入居を考えるべきタイミング
高齢者向けの施設といってもさまざまな種類があります。施設によって運営している団体が異なり、種類ごとの特徴を押さえておくようにしましょう。
公営施設の場合は、介護度の高い認定を受けている、誰かのサポートなしに日常生活を送るのが困難だと判断される方をメインとしています。一方、民間の施設の場合は、比較的高額ですが、希望すればだれでも入居できるところが多い傾向にあります。入居者の健康状態や施設環境、費用面などを総合的に判断し、適した場所選ぶようにしましょう。
そもそも、施設への入居を検討すべきタイミングが3パターンあります。1つは入居対象者の介護が不要なタイミングから検討し始めるパターンです。元気なうちは自宅で過ごしたいと考える方が多いかもしれませんが、入居しようとしてもすぐに見つからないこともあります。そのため、元気なうちに検討しておくのも選択肢の一つなのです。また、後々介護が必要になったら施設でそのままサポートを受けられるため、家族にかかる負担を軽減できます。
2つ目は、病院から退院するタイミングです。高齢になり、病気や怪我で入院することがあるでしょう。いったん退院できても、再発してしまったり、別の病気や怪我にかかったりする可能性もあります。高齢になると入退院を繰り返す方も少なくないため、病院から退院するのをきっかけに探し始めるのもタイミングの一つでしょう。
3つ目は、家族による介護がむずかしくなるタイミングです。介護が長期化したり、負担が大きくなったりすると、サポートする側が精神的に辛くなる場合があります。そのため、自宅での介護に限界を感じたら、施設への入居を検討するタイミングだといえます。
老人ホーム・介護施設の入居費用の目安
介護施設といってもさまざまな種類がありますが、ここでは有料老人ホームの費用について解説します。施設への入居を検討する際は、費用をまかなえるかどうかも重要なポイントとなるため、きちんと確認しておきましょう。
まず、介護付き有料老人ホームの場合、初期費用の相場は約350万円、月額の費用は約22万円が相場です。一方、住宅型有料老人ホームの初期費用は約90万円、月額の費用は約13万円が相場です。一見、介護付き有料老人ホームの方が高額に見えますが、介護サービスが付帯しているのがポイントです。
介護を必要とする高齢者の方が住居型有料老人ホームへ入居することも可能ですが、別途介護を受ける費用がかかるのです。そのため、見た目の費用だけでなく、入居後の月額費用に加え、追加でかかる費用がないかどうかなどを確認し、最適な施設を選ぶようにしましょう。
老人ホーム・介護施設に入居するまでの流れ
施設への入居を検討するまでの流れについてですが、まず施設を探し始める前に希望条件を決めましょう。自立した生活を送れるのか、介護が必要なのか、食事の内容や職員の対応などさまざまな要素を検討しなければなりません。
また、持病がある場合は、薬や食事内容に関して柔軟な対応を受けられるかどうかも考えなければなりません。そのほか、費用や立地、周辺環境をポイントとなってくるため、最初に希望条件を決めておきましょう。
そして、条件がきまったら、施設の情報収集を行います。複数の施設を検討し、入居を希望する場所を絞り込んで、パンフレットを取り寄せましょう。パンフレットに書いている詳しい内容を確認し、気になる施設があれば見学を行うのがおすすめです。
見学なしに入居を決めることも可能ですが、実際に見学してみないと分からない情報も多くあります。入居後に後悔するリスクを減らすためにも、見学するのが重要だといえます。
希望の条件にマッチし、見学した上で納得できれば契約を行い、入居となります。本当に介護が必要になったら、自宅での介護が限界を迎えたらといったタイミングで施設の入居を検討する方も多いですが、できるだけ早めに考え始めるのがおすすめです。きちんと考える時間を持ち、納得できる施設が見つかれば、豊かな老後を送れるでしょう。
老人ホームへの入居を検討する際は、できるだけ早いタイミングから施設探しをするのがおすすめです。施設に入居しなければならない状況になってから探し始めるのでは、じっくりと考える時間がない可能性があります。すぐに入居する予定がなくても、検討するのは可能です。また、入居する施設は、実際に見学した上で契約するようにしましょう。ホームページやパンフレットだけでは分からない、施設の雰囲気やスタッフの対応、周辺環境などを確認し、納得したうえで施設を決めれば、入居後に後悔するリスクを軽減できます。